元治元(一八六四)年の京の大火、「どんどん焼け」で住んでいた長屋を焼かれた菅沼鉢四郎。<br />妻子ともはぐれ、薩摩や会津の炊き出しの世話になる日々だ。<br />ところが、会津の炊き出しが滅法まずい。<br />思わず「まずい」と言った相手が新選組幹部・原田左之助だったことから、運命が変転をはじめる。<br />果たして、鉢四郎ははぐれた妻子と再会できるのか――。<br />新選組の知られざる内証を活き活きと描いた、読み応え充分の直木賞受賞第一作!