奈良時代、東大寺の大仏造営事業が進む中、故郷から造仏所に徴発された真楯。<br />信仰心など一片もないのに、仲間と共に取り組む命懸けの労役は苦難の連続。<br />作事場に渦巻く複雑な人間模様も懊悩をもたらすばかり。<br />だが、疲れ切った彼らには、炊屋の宮麻呂が作る旨い料理があった。<br />一膳の飯が問いかける仏の価値とは? 食を通して造仏に携わる人々の息遣いを活写した傑作時代小説。<br />