金沢に五代藩主、前田綱利公の初のお国入りが決まり、兵法御覧の差配を担った富田重持は、加賀に古来より伝わる‘深甚流’の剣を披露することにした。<br />だが、この流派を継ぐと称する男は邪剣の遣い手であった。<br />重持は深甚流のひそかな伝承者とされる老いた百姓を探し出し、邪剣の士と対決させるが……。<br />(「水鏡」より) 剣豪小説の白眉と讃えられる珠玉の十編収録。<br />