次作を書けずにいる新人作家のぼくは、ある日、十代の頃の相棒・寺井と10年ぶりに再会する。<br />しかし、彼は無茶な依頼を口にしたのち、ぼくの前から消えてしまった。<br />寺井を追うほどに胸を過る10年前の忘れ得ぬ出来事と映子の姿。<br />思いがけず始まった人捜しが、止まっていた時間を揺り動かす。<br />若き日の恋と苦い過去が織りなす人間模様。<br />直木賞作家の才気あふれる初期傑作！
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