鶴賀鶴八と鶴次郎は女の三味線弾きに男の太夫と珍しい組み合わせの新内語り。<br />若手ながらイキの合った芸で名人と言われる。<br />内心では愛し合う二人だが、一徹な性格故に喧嘩が多く、晴れて結ばれる直前に別れてしまう。<br />裕福な会席料理屋に嫁いだ鶴八と、人気を失い転落する鶴次郎。<br />三年後再会した二人の行く末を描く表題作に『風流深川唄』など三編収録の傑作集。<br />