不倫相手の子供を流産し、会社も辞めた28歳ののりこは、祖母の暮らす海辺の町にやってきた。<br />海に潜り続ける日々の中で出会った「ぱちこ」と呼ばれる少女は、一言も口をきこうとしない。<br />ただ、のりこに小さな白い魚の入ったカプセルを渡してきた……。<br />(表題作) 閉塞感を破り、再生を模索する姿を描いた、第8回小説宝石新人賞・優秀作を収録。<br />