古着屋紅堂に、婚家先の大店から身一つで離縁された葉(よう)という女がやって来た。<br />店主の新見真白(にいみましろ)は事情を汲み、着物の代金代わりに数珠を受け取るが、そこから九条實親(くじょうさねちか)と名乗る直衣姿の公達が! 陰陽師によって数珠に住まう身となり、この世のものならぬ黒い怨念から、持ち主である彼女を守っていたのだという。<br />成り行きで悪霊退治を請け合った真白だったが――。<br />