城石明音は先天性の心疾患を患っていた。<br />8歳の時に病状が悪化し、両親は渡米しての心臓移植手術を決断する。<br />しかし、そのためには1億5000万円という莫大な費用が必要だった。<br />懸命の募金活動の末、募金額は目標額を超え、明音はアメリカに渡った。<br />幸いドナーも見つかり、手術も無事に成功し、明音は一命を取り留めた。<br />誰もが明音の生を祝福しているかのようだった。<br />このときまでは――。<br />重い余韻が胸に迫る、著者の新境地!