「まず初めに師匠に読んでもらいたかった」――。<br />昭和16年の横浜。<br />5歳の少年・檜垣壽雄は、色街・真金町の廓『永代楼』の女将である祖母いねに可愛がられ、何不自由なく暮らしていた。<br />しかし、母のきくが突然家出し、その寂しさから、壽雄は落語に、笑いに目覚めていく――。<br />戦前戦中戦後の昭和を舞台に、直弟子が故・桂歌丸の少年期をモデルに描く、感動と笑いの人情ばなし。<br />