瀬戸内の小さな漁村島での出来事だった。<br />海ぎわにある流木小屋のなかで、従兄弟の山藤憲春は火につつまれた。<br />なぜ、彼は爛死(らんし)せねばならなかったのか!? 二年後、「私」は茶室の設計を依頼された。<br />そこで見せられた織部灯籠の来歴と、憲春の焼死事件とがからみ――(表題作)。<br />魔が放つ、恐ろしくも妖しい美に惹きつけられる13作品。<br />