小佐野賢治の鋭い先見性と的確な経営方針、潤沢(じゅんたく)な資金力。<br />彼の財力に依存し、人は経営状態の悪いボロ会社を押しつけたが、賢治はそれらの会社を後年必ず、優良企業に変身させた。<br />そんな賢治の前に、彼の運命を大きく左右する男が現われた。<br />新進政治家の田中角栄(たなかかくえい)である。<br />この男を、自分の手で一国の総理にしたいという夢。<br />……一代の傑物(けつぶつ)の波乱(はらん)の生涯を描く大作。<br />