「新世界を象徴する通天閣みたいな男や」――剃り上げた頭に女郎蜘蛛の入れ墨。<br />二メートル近い巨体。<br />フリーの極道・ソクラテスの名は天王寺界隈で響き渡っていた。<br />しのぎは、地の者の諍いや災難の始末を請け負うこと。<br />渋い任侠道とは縁遠い、暴力付き人生相談所のような、けったいなしのぎが多いのだが……。<br />地べたを這うような日常の喜怒哀楽を描く痛快+感動の傑作!(『さよならソクラテス』改題)