木曾経文村(きそきょうもんむら)の守り神・地蔵菩薩が盗まれ、村の代表として、越路武平(こしじぶへい)が探索の旅に出た。<br />ひと月後、武平は帰村の途中、修羅の峠の十王像の前で、何者かに惨殺された。<br />大正時代、流浪の石工(いしく)が怨念をこめて刻んだという十王像には、何が秘められているのか? 事件を追う武平の娘・津恵と五堂捜査員の前に、やがて大物政治家の影が……。<br />著者、異色のハード・サスペンス。<br />