小学6年生の橘玻璃は、小児脱毛症を患っている。<br />慣れないウィッグはかゆみと違和感、不安でいっぱいだ。<br />将棋部に属するハルは「Hu・cafe」という将棋の指せるカフェを見つけ、店主の夕子さんの人柄に惹かれるようになる。<br />女流棋士として活躍していた夕子さんは、訳あって引退し、カフェを開いたという……。<br />大人への階段を上り始めた少女が、悩みや苦しみを受け止めてゆく様をみずみずしく描く成長小説。<br />