大阪立売堀で機械器具の会社を営む橋田は、人生最大の危機に直面していた。<br />20年をかけて築き上げた会社が詐欺にあい、倒産寸前にまで追い詰められていたのだ。<br />もはや金策も尽き、旧知の同業者に、愛人の秘書・由美子を差し出すほかに道はなかったが……。<br />男達の欲望の間で生きる薄幸な女を描いた表題作等、社会の歪みの中で蠢く人々の闇をあぶり出す傑作7編!!