注文が増え忙しくなった牡丹堂に手伝いの女性がやって来た。<br />年のころは三十過ぎ、背が高くて器量よし、さっぱりした気性で働き者。<br />たちまち見世の職人たちの心をつかんでいった。<br />女房のお葉を亡くして十年になる主・徹次とも、じきに親しくなってゆくのだが……。<br />一方、小萩は新しい菓子の考案に頭を悩ませる日々が続いていた。<br />菓子と人情の物語シリーズ第五弾。<br />