妻・唯を殺害した罪で服役後、37歳の吉川森二は他人との交流を拒み孤独に生きることを決めた。<br />何より大切だった唯とその兄の圭介との絆は失われ、一人娘の冬香からも激しく糾弾される森二を、新たな試練が次々と見舞う。<br />オブリヴィオン=忘却と赦し。<br />赦されざる罪を犯した男に、救済は訪れるのか。<br />闇の中でもがき生きる人間の痛みと希望を描く、傑作長編。<br />