南町奉行所定廻り同心・成沢東一郎は、吟味方与力の高見沢右京に引き合わされた淀屋益次郎から、抜け荷用の船造りを頼まれたのではないかという相談を持ち込まれた。<br />隠密の詮議を頼まれ調べ始めると、淀屋の倅の行状が思わしくないことも耳に入ってきた――。<br />(「桜雨」) 上からの承服し難い圧力や、やるせない思いも抱えながら、同心・成沢、今日も江戸を守る!