関ヶ原の戦いから九年――将軍職を秀忠に譲り、駿府に隠居した家康だが、徳川の天下を磐石にしていくために思いをめぐらせる。<br />諸外国との交易、キリシタン勢力、大阪の豊臣家、戦乱の世を知らない子や孫……不安を数えれば切りがない。<br />齢七十を超えてなお精力的に政治に関わり、いくさ場にも出征。<br />「守勢」に力を注ぐ家康の晩年を描き出した傑作!