学生時代の恋人津川を思って生きてきた華道の先生・美奈子。<br />その教室に津川の末娘・紗英がきた――。<br />(「あのひとの娘」) 定職に就けない弟とそれを案じる姉、母を失って色を失った父と僕と妹……。<br />それぞれ屈託を抱える登場人物たちが辿りついたそれぞれの「境地」とは。<br />『スコーレNo. 4』‘もうひとつの物語’も収録。<br />著者が10年間書き続けた作品が輝く傑作集。<br />