事故による頸髄損傷で、寝たきりの「妻」(49)を自宅で介護している「わたし」(50)。<br />自由のない生活を送っているが、妻から「ありがとう」と言われたこともない。<br />一方、設計士の一志(39)と編集者の摂(38)夫婦は妊活が実らず、摂から特別養子縁組を検討したいと告げられた一志は戸惑う。<br />様々な悩みを抱える男女の’過去と未来’が照らし出したのは――。<br />現代社会の歪みを書き続けてきた著者渾身の書下ろし長編。<br />