十五夜の二日後。<br />店先に現れた子連れの女の幽霊が「うちの人を助けて」と言い残して消えた。<br />九十九字屋店主の冬吾が、るいを連れて亭主の住む長屋へ急ぐと、そこには死んだように眠る男と水を張った平鉢が。<br />抜けた魂を呼び戻そうと、鉢に手を浸す冬吾だったが……。<br />(表題作) あやかしたちとの切なくもあたたかい交流を描く全三話を収録。<br />大好評シリーズ第七弾!