戦時中に負傷し記憶を失った少女・七恵は、指物職人の坪倉夫妻に引き取られた。<br />6年後、縁談が舞い込むが、彼女に降りかかった不幸により破談となってしまう。<br />さらに、坪倉が建て替えの仕事を請けた酒蔵で一人の男が殺される。<br />凶事が続く中、七恵が出会う画家・古屋敷圭介。<br />彼もまた、一連の事件に関わる身であった――。<br />戦後間もない時代を背景に、小布施の町並や縁の深い葛飾北斎の絵画、そして信州の峰々が彩る傑作ミステリー!