口入屋の隠居と若女房が殺された。<br />北定町廻り同心、木暮信次郎は、二人の驚愕の死に顔から、今は亡き母が洩らした「死の間際、何を見たのであろうか」という意味不明の呟きを思い出す。<br />謎めいた事件と才知にたけた女性であったと知る母の過去。<br />岡っ引の伊佐治、商いの途に生きようと覚悟する遠野屋清之介。<br />得体の知れない危うさに呑み込まれていく男たち。<br />江戸に蔓延る闇を暴く、待望の「弥勒」シリーズ最新作!