茶屋の店先から成沢東一郎に声をかけた娘は、三年前に行方をくらましたお花だった。<br />彼女は十三から客をとっており、成沢は指図をしたその母親を諭したという過去があった。<br />お紋は、挿していた玉かんざしを手がかりにお花が今何をしているかを探るのだが……。<br />(「あばずれ」) 過酷な境遇でも、己の力で進もうとする人々の助けとなるべく、成沢は今日も江戸を行く!