十前(じゅうぜん)久信は自分を見つめる女の視線を感じていた。<br />彼が向かうのは怪しい〈岳女伝説〉に包まれる峡の村。<br />その村で十前は、アル中に効く神草(しんそう)を探すという野狩玄人と出会う。<br />やがて、神草を求めて野狩が狐を山に放ったとき、村長の孫娘が突然に姿を消した。<br />村を挙げての必死の山狩り。<br />ついに、怨念を秘めた深い眸の女の正体が……(表題作)。<br />著者渾身のハード・サスペンス。<br />