東京都内の空地で大学生が殺された。<br />犯行時被害者と情交中だった女性は、警視庁の一柳(いちやなぎ)刑事の妻だった。<br />彼女は突然襲ってきた犯人に暴行され、’遺留品’を胎内に宿した。<br />捜査線上にはヒマラヤ・ネパルチュリ登山隊のアルピニスト・津雲(つぐも)の名が浮かぶ。<br />津雲は頂上アタックに失敗し、朋友を死なせていた。<br />心の中に十字架を背負った男女が交錯する、傑作推理小説。<br />