1946年、戦争で両親と住まいを失った里見滋は、焦土と化した東京で飢えと貧困に苦しむ。<br />放浪の果てにたどり着いた上野の地下道、そして闇市で、きょうを生き延びるためにもがき続ける。<br />2020年、都内の私立高校に通う洲崎駿は、新型コロナウイルスの感染拡大によって自粛生活を強いられる。<br />父の勤務先が倒産したのをきっかけに、平穏だった家族の日常は崩壊していく。<br />ふたりの一年間を濃密に描き、それぞれの出会いが奇跡を生む。<br />