会社員法学士湯河勝太郎が歩いていると、安藤という探偵が友人に紹介してもらったと声をかけてきた。<br />実は湯河本人を調べているといい、今の妻とはまだ法律上の結婚はしていないこと、前の妻はチブスで死んだことを語り始める。<br />湯河は不愉快な顔になった――。<br />(「途上」) 江戸川乱歩にも多大な影響を与えた、谷崎潤一郎の探偵小説傑作選が登場!