淵上道庵は、なみだ通りの面々も日頃から世話になる名医だ。<br />文政八年、狂言「東海道四谷怪談」が評判を呼んだ夏が過ぎる頃、江戸にはやり病の疱瘡が拡がり始めていた。<br />命にかかわる恐ろしい病で、なみだ通りの屋台にも疱瘡除けの赤いものが飾られることに。<br />道庵は息子とともに人助けに奔走するのだが……。<br />江戸の市井の人々を温かく描く好評シリーズ第三弾!