江戸末期に活躍した天才棋士、天野宗歩。<br />五歳にして非凡な才能をもてはやされた幼少期。<br />酒に溺れ、賭け将棋に明け暮れた上方時代。<br />命を懸けた大橋宗?との苛烈な対局。<br />浮世も御城将棋にも見切りをつけ、興行三昧する奥州行脚。<br />実力十三段、のちに棋聖と呼ばれた孤高の勝負師は、何を追い求め彷徨っていたのだろうか。<br />近代将棋の定跡の基礎を築き、今も棋界から無二の存在と一目置かれる男の孤独と絶望に迫る、新たな盤上小説。<br />