戦国末期、島津軍の猛攻により滅亡寸前の大友家。<br />敵の大軍勢が迫るなか、居城の留守を預かる吉岡妙林尼は女子供、年寄りと共に、寡兵での籠城を決断、徹底抗戦の道を選ぶ。<br />それは武家の嫁としての誇りと、恋人と夫の命を奪った敵への復讐のためだった――。<br />奇跡の鶴崎城攻防戦で島津軍を十六度撃退したと伝わる〈九州のジャンヌ・ダルク〉の波乱の生涯を描く。<br />