百年の歴史を持つ邸宅が火事になり、主とその妻が亡くなった。<br />遺されたのは火災のため記憶喪失になった二十七歳の娘・青河文と、由緒ある料亭旅館〈銀の鰊亭〉。<br />甥の光は、妹を心配する母の頼みで美しき叔母と同居し、営業を再開した店で文とともに客への〈御挨拶〉をすることになった。<br />すると、火事に疑問を持つ刑事が光の前に現れた――。<br />