牙小次郎は、立ち寄った刀剣商で、その逸品に目を奪われる。<br />無銘の古刀だったが、主の言い値で手に入れた。<br />その刀、実は徳川家康公から拝領したさる家の家宝で、公金を使い込んだ家臣が、穴埋めのために売ったものだった。<br />刀を返せと高飛車に言う者たちを追い返したが、ある夜盗賊に人質を取られて刀を奪われ――! 非情な人殺しに牙小次郎の刀が唸る!