大正9年の東京。<br />侯爵令嬢の瀧川鈴子はとある事情から浅草出身で、怪談蒐集を趣味としている。<br />ある日、室辻子爵邸に呼ばれて芸妓の悪霊を目撃した際、花菱孝冬という青年に出会う。<br />彼は十二単を纏う謎の霊を使い、悪霊を「食わせた」のだった……。<br />掴みどころのない孝冬を気味悪く思う鈴子だったが、なぜか孝冬に求婚され――! 逃れられない過去とさだめを背負う二人が結ばれることで、動き出す未来とは。<br />