中学時代の同級生が開発業者として現れ、抗うこともないままに肉体関係をもってしまった沙知。<br /> 自宅裏の森を伐採する宅地造成工事の告知を機に、彼女の家族は一変する。<br /> 反対運動にのめり込む義父母。<br />いつしか夫も見知らぬ顔を覗かせるなか、その男は沙知への要求をエスカレートさせていく。<br /> 日常にひそむ正常と異常の空隙。<br /> そこから現れる異様な光景を端正な筆致でとらえたアモラルな傑作長篇小説