「見えてない奴の方が幸せなのさ。<br />見える者からすれば滑稽でも哀れでもね」……隣に越して来た若夫婦の男は、既に死んだはずではなかったのか? 揺らいだり、ふっと消えたり、恐ろしいのは人の心か、人でないものか。<br />江戸の市井を舞台に描く、切なくはかない七つの奇譚集。<br />