糸を噛む〜死を待つ王女に捧げる仕立て屋の深愛〜
「ダメだったら、一緒に死んでやる!」――叔父の裏切りにより、婚姻直前で塔に幽閉された王女レオノーラは、密かに想いを寄せる仕立て屋エドガーに『黒衣』の依頼をする。
処刑が決まった王族は、指名した職人と共に、最期の衣装を仕立てるしきたりがあるのだ。
一方、依頼を受けたエドガーは、死に直面してなお笑みを崩さず本音を見せない王女に言い知れぬ怒りを抱き、その甘く苦い想いを自覚してしまう。
隣国の王太子妃になる彼女と自分が結ばれることはない。
それでも――生きてくれているのなら、それでいい。
二人きりの塔で口づけを交わし、仕立て屋は王女を助け出す覚悟を決める。
一度きり、命がけの恋の行方は――?
更新中です。しばらくお待ちください。