天文二十二(一五五三)年如月、今川義元の家老、由比家に仕える地侍の伴十郎衛門の足軽をする佐平は、夜更けに同輩の孫吉が山中で怪力を放つ光景を目撃する。<br />孫吉の体につけた御札のおかげだと目星をつけた佐平は手に入れようと決める。<br />数日後の晩に佐平は甲州衆に追われた鉱山遊女の珠を救って同衾する。<br />珠のために真人間になれるかもしれないと考えた矢先に佐平の留守中に珠は甲州衆に連れ去られていた。<br />