「いいかげん深君との気持ち悪い関係も解消してな」九州帝大を卒業し、下関の造船所に勤めている巧海は、ある日両親から見合いを勧められる。<br />恋仲とも呼べない、幼馴染である深との関係を指摘され、巧海は自らの身の振り方に頭を悩ませるものの、あいまいなそれに気持ちの区切りをつけることも出来ず─……。<br />昭和初期、戦禍の足音迫る中。<br />若松浪漫第三弾。<br />