老舗和菓子屋の一人娘。<br />月瀬穂波は二人の男性の間で心がゆれる。<br />相手は、藤原北家を祖とする家系、かつては清華家の家格を有した西園寺家の次男と三男。<br />西園寺家は楽琵琶の家として受け継がれ、雅楽の楽師を生業としている家柄。<br />次男にはかつて美しい婚約者がいた。<br />それも同じく藤原北家を祖とする近衛家のご令嬢だった。<br />近衛家は五摂家のひとつという家格。<br />そして、三男は誰からも愛される才気あふれる楽師。<br />歪んだ愛と純粋な愛が絡み合い、ある日悲劇が起こる。<br />