高校を卒業した日、湊兎は不思議な鈴の音に導かれ、廃屋へとたどり着く。<br />敷地内を進んでいくと、そこには紅葉した大樹が。<br />木の根元に近づき、ふと上を見上げると太い枝の上に、この世のものとは思えない程の美しい青年が座っていた。<br />枝から垂れる彼の左足首には、組み紐で結んだ鈴が三つついていた。<br />「待っていたよ」会ったことがないはずなのに、彼は何故か湊兎のことを知っていて……