いずれ平安京と呼ばれることになる、斜陽の都。<br />下級貴族の青年俊道の周囲には、不可思議な出来事が起きる。<br />だが、彼は目をそらす。<br />己の平穏な暮らしだけが大切だから。<br />鬼がそばを通り過ぎても、決して彼には見えはしない。<br />見ることなど、しない。<br />