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もう君しか聴こえない

どうか僕の傍で歌ってはくれないか?関那律はネット音楽クリエイターとして活動をしている。
間近に迫る節目は、歌い手とのユニット企画で迎えたいと考えていた。
そんな折、廃ビルの屋上で喉を震わす待宮詠司が奏でる歌声に惚れ込む。
理想を越える彼の正体が、かつて中堅人気を誇った歌い手だと気付く。
企画に誘う那律に、詠司は炎上が原因で引退をした過去を晒し断る。
諦めきれず歌声に報酬を払う提案で関係を繋ぎ止めた。
共有する時間を積み、互いの内面に惹かれ合う二人だが曖昧な関係からは抜け出せない。
過去の恋愛経験から周囲とは鎖国状態で独りを望むが、詠司と離れる未来は想像出来ない那律。
信頼する先輩が流したデマで炎上したトラウマから人間不信に陥るも、那律の何気無い言葉に救われる詠司。
交錯する二人の想いは、それぞれの形で未来へ向かいユニット企画を成功に導く。
彼の隣で歌い続ける権利だけは誰にも譲らない。




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