下級官吏アカーキエヴィチにある日、大きな生き甲斐がうまれた。<br />外套を新調するという夢の実現である。<br />生活を極度に切りつめ、ようやく念願かなった暁に、一大不幸が……。<br />ドストエフスキーに「われわれはみなゴーゴリの『外套』から出た」といわせたロシア文学の金字塔。<br />芸術と人間生活の調和という普遍的なテーマを追求して、鬼才ゴーゴリの知られざる一面を伝える「肖像画」を新訳であわせ収録。<br />