アメリカ南北戦争で大砲づくりに命をかけた連中も、平和のなかで意気阻喪していた。<br />ガン・クラブ会長バービケインはその沈滞を打ち破り、技術の粋をつくして世界をあっといわせる「快挙」をなしとげようと決意した。<br />それが巨砲!を使っての「月への旅行」だった。<br />弾道学・金属学・天文学・気象学・冶金学などを総動員しての準備計画…そして「発射!」。<br />なぜアメリカの宇宙基地がフロリダ半島にあるのか、ヴェルヌのこのSFはそうした疑問にも答えてくれる。<br />