帆船ディヴァイナー号で地中海旅行に出かけようとしていたガンサートは、BM&I社の会長から、莫大な価値をもつ珪トリウム合金のもとになる鉱石のかけらを見せられた。<br />鯨肉の箱の中から紙に包まれて見つかったものだという。<br />鯨の血のしみた紙には詩が書き付けられ、ファーネルという署名があった。<br />とすれば、送り主はかつての同僚でノルウェーの氷河で死んだというファーネルではないのか。<br />ガンサートは急遽行き先をノルウェーに変え、ファーネル捜索に乗り出す…