掏りかえられた顔
デラとともに船のデッキに立ち、ハワイの灯影に名残りを惜しんでいたメイスンのまえに、思わぬ依頼人が現れる。
夫のカール、娘のベルの三人でハワイの休日を楽しんで帰国するところだったニューベリ夫人である。
夫人は、突然大金を手に入れたらしい夫を調べてほしいという。
帳簿係の職を急にやめ、逃げるように引越し、その後は身分不相応なハワイ旅行。
どうやってその金を手に入れたか、夫はけっしてしゃべろうとしないというのである。
そのうち、夫人の耳に、夫がやめた会社で使いこみがあり、追及がはじまっているという噂がはいってきた。
しかもその朝、荷物のなかに入っていたベルの写真が、彼女そっくりの女優の写真にすりかえられていた。
船内の誰かが、一家の身元を調べている疑いがあった。
興味を持ったメイスンは、調査の準備にとりかかった。
だがその矢先、嵐の晩に、複雑怪奇な殺人事件が突発した……。
シリーズ初期の名作。
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