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ロボット宇宙船

ミストラが事務的な調子でいった。
「さあ、こんどは窓の外をごらんになるといいわ」スティーヴンズは、眉をひそめるようにして彼女を見た。
「窓だって!」と彼はいった。
何かあると予想はしていたものの、彼は気の遠くなるような驚きにおそわれて、息をあえいだ。
「これは、どうしたんだ!」空は暗かった。
下には、茫々たる靄(もや)のひろがりがあった。
やがて、最初のショックが去った。
下界はものの形も生命もない混沌の中にあった。
奇妙に円い感じがあって、それが非現実の世界に仕上げの一筆を添えていた。
これに似た茫々たるながめをどこかで目にした記憶があったが、ようやく彼はそれを思い出した。
百マイル、もしくはそれ以上の高空から撮られたV2号の写真が、これとそっくりの異様な効果を見せていたものだった。
…ヴァン・ヴォクトの描く異様な世界!




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