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風と共に去りぬ

いまはアシュレに対する思慕もうすれた。
メラニーが死んでからアシュレははっきりとスカーレットに心を寄せていたが彼女のほうではかえって恋もさめた。
だが「レットこそ自分の魂なのだ」とスカーレットが気づいたとき、皮肉にも彼の心は彼女を離れ、バトラーは人が変わったように二人のあいだに生まれたボニーへすべての愛情を注ぐのだった。
そのボニーがふとしたことで死んでしまうと、虚脱したバトラーはすべてに興味を失い、家もスカーレットも捨てて旅立っていく。
スカーレットは悲しみに打ちのめされながらも、生来の自尊心が頭をもたげてくる。
「私はもう一度バトラーの愛をとりもどしてみせる。
でもいまはあまりにも疲れている。
あすはまた、あすの陽が照るのだ……」




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